五大栄養素のひとつ「ビタミンB群」のはたらきやとり方のポイント

五大栄養素のひとつ「ビタミンB群」のはたらきやとり方のポイント

「ビタミンB群」とは、ビタミンB1、B2、B6、B12、とナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンの8種類の物質の総称です。

 

それぞれの物質が互いに作用し合ってはじめて効果を発揮するため、まとめてB群とくくられています。

 

この記事では、そのはたらきや含有量の多い食品などをご紹介します。

 

ビタミンB群それぞれの主なはたらき

ビタミンB群の物質は、それぞれ違うはたらきをします。

 

ビタミンB1:糖質をエネルギーに変えるサポート

 

ビタミン B2:三大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)をエネルギーに変えるサポート

 

ナイアシン:糖質や脂質の代謝をサポートするほか、アルコールの分解を助ける

 

ビタミンB6:たんぱく質の代謝を助け、エネルギー生成や神経機能の維持をサポート

 

ビタミンB12:赤血球の成熟をサポート

 

葉酸:赤血球が作られるのをサポートするほか、新しい細胞の生成をサポート

 

パントテン酸:コエンザイムAの構成成分になり、体の機能を維持

 

ビオチン:三大栄養素をエネルギーに変えるサポートするほか、皮膚の炎症を抑える

 

ビタミンB群が不足すると起こる症状

不足により、以下のような症状が現れることがあります。

 

ビタミンB1:糖質の代謝が悪くなるのでエネルギー不足や疲労感、イライラが起きる

 

ビタミンB2:肌荒れや口内炎、ニキビなどを引き起こす

 

ビタミンB6:神経障害や皮膚炎、月経前症候群など

 

ビタミンB12:貧血、神経障害など

 

葉酸:貧血を起こしやすくなる

 

ビオチン、ナイアシン、パントテン酸は体内でも合成されるため、不足する心配はあまりありません。

 

1日の食事からとるビタミンB群のめやす量

 

厚生労働省が発表している1日の摂取推奨量を、男女それぞれ年齢別にまとめ直しました。

 

後述の食品に含まれる量と照らし合わせ、ご自身がどれくらいとればよいかの参考になさってください。

 

男性 ビタミンB1

(mg)

ビタミンB2

(mg)

ナイアシン(mgNE

ビタミンB6

(mg)

ビタミンB12(μg) 葉酸

(μg)

パントテン酸

(mg)

ビオチン

(μg)

18〜29歳 1.4 1.6 15 1.4 2.4 240 5 50
30〜49歳 1.4 1.6 15 1.4 2.4 240 5 50
50〜69歳 1.3 1.5 14 1.4 2.4 240 6 50
70歳以上 1.2 1.3 13 1.4 2.4 240 6 50

 

女性 ビタミンB1

(mg)

ビタミンB2

(mg)

ナイアシン(mgNE

ビタミンB6

(mg)

ビタミンB12(μg) 葉酸

(μg)

パントテン酸

(mg)

ビオチン

(μg)

18〜29歳 1.1 1.2 11 1.1 2.4 240 5 50
30〜49歳 1.1 1.2 12 1.1 2.4 240 5 50
50〜69歳 1.1 1.2 11 1.1 2.4 240 5 50
70歳以上 0.9 1.0 10 1.1 2.4 240 5 50

 

※単位㎍は100万分の1グラム

※妊娠の可能性のある女性については、400μg/日を摂取するのが望ましい

 

参考:厚生労働省『日本人の食事摂取基準2020年版』

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

 

ビタミンB群を豊富に含む食品

※100gあたりの含有量

ビタミンB1

(mg)

ビタミンB2

(mg)

ナイアシン(mgNE

ビタミンB6

(mg)

ビタミンB12(μg) 葉酸

(μg)

パントテン酸

(mg)

ビオチン

(μg)

豚ヒレ肉 2.09 0.44 13 0.76 0.9 1 1.55 6.4
豚レバー 0.34 3.60 14 0.57 25 810 7.19 80
牛レバー 0.22 3 14 0.89 53 1000 6.4 76
鶏レバー 0.38 1.80 4.5 0.65 44 1300 10 230
鶏ささみ 0.09 0.12 11 0.66 0.1 7 1.68
生ハム 0.92 0.18 9.9 0.43 0.4 3 1.36 3.3
うなぎ(かば焼き) 0.75 0.74 4.1 0.09 2.2 13 1.29 10
まぐろ 0.1 0.05 14 0.85 1.3 8 0.41 1.9
さば 0.21 0.31 12 0.59 13 11 0.66 4.9
いか 0.07 0.05 4 0.21 4.9 5 0.34 4.9
たらこ 0.71 0.43 50 0.25 18 52 3.68 18
あじ 0.13 0.13 5.5 0.30 7.1 5 0.41 3.3
しじみ 0.02 0.44 1.5 0.10 68 26 0.53
焼のり 0.69 2.33 12 0.59 58 1900 1.18 47
白菜 0.05 0.13 0.7 0.14 0 150 0.28
ブロッコリー 0.17 9.23 1 0.30 0 220 1.42 13
モロヘイヤ 0.18 0.42 1.1 0.35 0 250 1.83 14
アスパラガス 0.14 0.15 1 0.12 0 190 0.59 1.8
カシューナッツ 0.54 0.18 0.9 0.36 0 63 1.32 19
納豆 0.07 0.56 1.1 0.24 Tr 120 3.60 18
まいたけ 0.09 0.19 5 0.06 0 53 0.56 24
バナナ 0.05 0.04 0.7 0.38 0 26 0.44 1.4
アボカド 0.09 0.20 1.8 0.29 0 83 1.55 5.3

 

※Tr:最小記載量の1/10以上かつ5/10未満

 

参考:文部科学省『食品詳細データベース』

https://fooddb.mext.go.jp/

 

ビタミンB群の過剰摂取によるリスク

ビタミンB群のなかで、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸はとりすぎによる弊害もあります。

 

ナイアシン:一度にとりすぎると下痢や便秘などの胃腸障害や皮膚の炎症が起こることも

 

ビタミンB6:継続的にとりすぎると、手足のしびれや痛みなどの神経障害のリスクがある

 

葉酸:食事でのとりすぎはほぼないが、サプリメントのとりすぎで発熱やじんましんなどが起こる可能性がある

 

厚生労働省によってそれぞれ1日の耐容上限量が、以下のように定められています。これを超えると健康被害が出る恐れがあるので、サプリメントの過剰摂取などには気をつけましょう。

 

1日の耐容上限量 ナイアシン(mgNE

ビタミンB6

(mg)

葉酸

(μg)

男性

18〜29歳

300 55 1,300
男性

30〜49歳

350 60 1,400
男性

50〜69歳

350 55 1,400
男性

70歳以上

300 50 1,300
女性

18〜29歳

250 45 1,300
女性

30〜49歳

250 45 1,350
女性

50〜69歳

250 45 1,350
女性

70歳以上

250 40 1,300

 

まとめ:ビタミンB群のとり方のポイント

ビタミンB群の物質は、それぞれが助け合いながら効果を発揮するので、一緒にとるのがポイントです。

 

また水溶性で溶けやすく、毎日食事から補う必要もあります。忙しくて不足しがちな方は、食事のほかにサプリメントで補うとよいでしょう。

 

ただし過剰摂取により胃が荒れたりするリスクもあるため、とりすぎにはご注意ください。

 

食事やサプリメント、健康食品など何をどのように摂ったらいいかお悩みの方は、当院にご相談ください。

 

 

(柔道整復師・鍼灸師・睡眠健康指導師上級   綾田剣一  監修)

 

 

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