マッサージチェアの効果!腰痛は改善されるのか
マッサージチェアの効果!腰痛は改善されるのか?
先日、腰痛の患者さんに「マッサージチェアを使ってもいいですか?」とご質問をいただきました。
このブログでは、マッサージチェアの効果と使用時の注意点をお話しします。
慢性的な腰痛で接骨院、整骨院、整体院に通院している方は多いのではないでしょうか。
接骨院、整骨院、整体院などで頻繁に施術を受けに通うことは、時間的にも金銭的にも大きな負担がかかります。
しかし自宅にマッサージチェアがあれば、いつでも手軽にマッサージを受けることができます。
最近、家電量販店やインターネットで購入する人が増えています。
腰痛にマッサージチェアは効果があるか?
マッサージチェアを使用して腰痛が改善したと聞くことがあります。
なぜ腰痛は改善したのでしょうか。
腰痛の原因はいろいろあります。
腰椎椎間板ヘルニア、腰椎滑り症などのように腰骨や軟骨に病変がある場合と、レントゲン検査やMRI検査で異常が認められない筋・筋膜性腰痛があります。
レントゲンやMRIなどの画像診断で異常のない腰痛は、腰から背中にかけての筋肉が硬くなり血液循環が悪くなって痛みを出しているのがほとんどです。
マッサージチェアはそのような筋肉を揉みほぐしリラックスさせる血液循環を改善させる効果があるので、腰痛を緩和するのに効果があります。
どのような腰痛にマッサージチェアは効果的か
マッサージチェアは、痛めてからしばらくたって炎症症状が軽減しているが、筋肉が硬くなり血液循環が悪くて痛みを出している慢性的な腰痛に有効的です。
例えば背中の真ん中に通っている脊柱起立筋、背中に広がっている広背筋、お尻の筋肉である大臀筋・中臀筋・小臀筋などの殿筋群、太ももの裏側にあるハムストリングなどの筋肉の影響で腰痛が起こります。
それらの筋肉が硬くなり伸び縮みしなくなると正常な腰の動きができないため、腰痛になります。
マッサージチェアで腰痛の原因となっている筋肉を揉みほぐして血液循環を改善し正常に伸び縮みできるようになれば、腰痛を改善したり予防したりすることができます。
マッサージチェアを使ってはいけない腰痛
腰痛の状態や原因によっては、マッサージチェアを使うと悪化する場合があります。
どのような腰痛の場合にマッサージチェアの使用してはいけないのでしょうか。
①急性期のぎっくり腰の方(炎症症状のある腰痛)
ギックリ腰など急性の炎症症状がある腰痛や、動作時に鋭い痛みがある腰痛、腰部に打撲や切り傷、擦り傷などがある場合は、マッサージチェアの使用はしてはいけません。
マッサージチェアは、圧力をかけて筋肉をほぐし血行を改善するため、急性の腰痛に行うと炎症症状をさらに強くして痛みを増してしまいます。
炎症症状がある痛みの強い急性期の腰痛の場合は、マッサージチェアを使わずに、氷嚢などで患部をアイシングして安静して痛みを早く軽減させること大切です。
②骨粗鬆症やリウマチ治療中の方
骨密度が低く骨粗鬆症の方は、腰椎の出っぱっている部位にマッサージチェアが強くあたり骨折してしまうリスクがあります。
リウマチで変形している関節をマッサージ機で刺激すると、関節が炎症を起こし痛むことがあります。
よって、骨粗鬆症やリウマチの方には、マッサージ機やマッサージチェアの使用をおすすめしません。
使用に関しては、主治医に相談するようにしてください。
③腰を反らすと痛みが強くなるタイプの腰痛
マッサージチェアは腰から背中や肩にかけて押し上げるような圧力をかけるものが多いため、腰を反らした時に痛みが強くなるタイプの腰痛には使用してはいけません。
足専用のマッサージ機や、手に持って使うハンディマッサージ機であれば、使う部位が限局的であるのと、使用時の姿勢を自分で負担のないように調整できるため問題はありません。
腰痛にマッサージチェアを使用する場合の注意点
マッサージチェアは腰痛を改善させるのに効果的ですが、使い方を誤れば腰痛をかえって悪化させてしまいます。
使い方や時間を守って安全に使用しましょう。
①痛すぎない程度の強さ
刺激が強ければ強いほど効果があると思い、マッサージチェアの揉む力を強くして痛みを我慢しながら使う方がいらっしゃいますが、強すぎる刺激は腰痛を改善させるどころか、さらに悪化させてしまいます。
刺激が強すぎると筋肉に力が入り硬くなってしまいます。
その硬くなった筋肉にさらに強い刺激を与えることにより、逆に筋肉を傷めてしまいます。
また、揉み返しも起こりやすくなってしまいます。
マッサージチェアを使用する時は、気持ちのいいリラックスできる刺激の強さにしましょう。
②長時間連続での使用は避ける
気持ちがいいからといいて、マッサージチェアを長時間連続して使用してはいけません。
長時間使用することで、気持ちのいい弱い刺激でも筋肉を痛めたり、疲労感を感じたりすることがあります。
刺激が弱くても長時間使用すると身体が受ける刺激量は多くなり、新たな痛みを引き起こしてしまうこともあります。
マッサージ機のコントローラーで設定できる1回の使用時間の上限は1回の20〜30分以内になっていると思います。
それを何度も繰り返し2回、3回と再度設定して連続して使用してはいけません。
③炎症症状の強い腰痛には使用しない
腫れていて熱感があり鋭い痛みのある急性の腰痛には、マッサージチェアの使用をしてはいけません。
急性期の炎症症状のある腰痛を刺激すると、炎症症状がますます強くなり症状を悪化させてしまいます。
マッサージチェアにはヒーターがついているものがありますが、急性期の患部を温めることでさらに炎症症状が強くなります。
マッサージチェアの使用するのは急性期の炎症症状が治ってからにしましょう。
まとめ
マッサージチェアは有効なのかと、使用する時の注意点をお話ししました。
自宅にいながら時間を選ばずに、気持ちの良いマッサージが受けられるマッサージチェアは、長年にわたって腰痛に悩んでいる方や、身体をたくさん使う仕事をしていてこまめにセルフケアをしたい方に大人気です。
付帯している機能や商品のグレードによって価格は異なりますが、どれにしようか決めかねてしまうほど様々な種類の商品が販売されています。
マッサージチェアは腰痛に効果的ですが、使い方を間違うと腰痛を悪化させてしまいます。
このブログでマッサージチェアの正しい知識を知っていただき、安全に使用していただければ幸いです。
マッサージチェアで改善しない腰痛はご相談ください。きっとお力になれます。
(柔道整復師・鍼灸師 綾田剣一 監修)
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